鰯雲
半信半疑だった


会える?

現実になる


駅前まで20分


今、逃したら……
もう会えないかもしれない

夜の街に飛び出した


バスの待ち時間
何時もより長く感じられた



元日の0時きっかり
繋がったあの声


除夜の鐘代わり
汽笛の音
粉雪降るあの夜
聞いた声



バスを降りる

駅前の灯りに向かって


目印も何も決めてない


でも……

「祐……さん?」


目と目があった



あの日と同じ声

会いたいが今

現実になる





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