好き✕好き


「うぅーー……さむっ!」


冷たい風に耐えながら手をこすりあわせていると、


「……ん」


透李君の声がし、隣を見ると手を差し出していた。


な…なに?お金……?


「あっ、えっと……今、金欠でして…」


私は、おずおずとそう告げた。

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