好き✕好き



あたしたちは、先生に教えてもらった位置につくとスキー板の確認をした。


途中でとれたりしないかなぁ――…?


「美愛、スキー板ちゃんとやった?あんたの事だから滑ってる途中に取れないか心配なんだけど」


あはは……やっぱり、思ったか……


「大丈夫っ!ちゃんと、つけたからさっ!」

「美愛の、大丈夫はあてにならないわよね」


「なっ?!なるよ!見ててね!」


あたしは、勢い任せにそう言うと真っ白な雪道を滑り降りた―――

が―――


「キャーーっ!!なにこれぇー?!とまんないー!?」


インストラクターの説明をちゃんと聞いてなかったあたしはただ勢いに任せて滑るだけ。


コントロールが出来無いためぶつかったっておかしくない。


「ギャーッ?!誰か止めてぇー!!」


ひときわ悲鳴を大きくしたあたし。


なぜなら、目の前にしっかりとした太い木。


この勢いでぶつかったらひとたまりもない!!


きゃー!!


あたしは、覚悟をきめ目を閉じた。
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