好き✕好き
「もう!誰かに見られたらどうするの!!ここ、通学路だよ?」
「あ?美愛が、可愛すぎんのがいけないんだろ」
「なっ……私、可愛くないもんっ!」
透李君は、意地悪にニヤリと笑うと私の頭を撫でた。
うぅ……恥ずかしいー!
そうこうしているうちに、私達の通う高校。
楓(かえで)高校が見えてきた。
「「「キャー!!透李くーん!!」」」
「「せーっの……透李くーん!!」」
うわっ、毎日毎日飽きないなぁ……
学園の王子様的、透李君は登校するたびに女子のファンに囲まれる。
だから、一緒にいる私は、女子の嫉妬の的。
こわいなぁ……ほらーっ、睨まれてるよぉ〜