好き✕好き
「ほらっ!またいるわよ!透李くんの彼女ヅラしてる女!」
「マジで〜?それって、かなりイタくね?笑」
次々と聞こえてくる罵声。
怖くて、繫いでいる手をギュッと握った。
「うるせーよ。彼女ヅラなんかしてねーし、イタくもねぇー。イタイのはてめぇらだろ」
透李君は、女の子達を鋭い目つきで睨みながらそう言った。
「美愛…気にすんなよ?」
「うん…」
私が、返事をすると私にしか見えない角度で甘い笑みをみせてくれた。