天才な彼を笑わす方法







「桜ちゃん!?」


呼んでも桜ちゃんは起きない。

ただ、血を流すだけ…。

僕は気を失った。






運転手は降りてこない。

後日わかったことだが、運転手は居眠り運転をしていたらしい。









目覚めた先にあったのは、白い天井。

そして心配そうに僕を眺める、父さんと母さんと妹。



「良かった…大丈夫?」

「お兄ちゃん!」

「…は?」

「どうした?」

「桜ちゃんは…?」



僕が言った瞬間、病室の扉が開いた。



「なーくん…?」

「桜ちゃんっ…!?」



桜は車椅子に乗っていた。



「なーくん良かった!
あたしより、なーくんの方が意識不明の期間、長かったんだよ?」



桜は泣きながら、僕の手を繋ぐ。






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