天才な彼を笑わす方法
それから僕は、勉強に励んだ。
遊ぶこともやめ、何もかも捨て、勉強をした。
父さんや母さんも、オジサンに色々言われたみたいで、ただ静かに僕の勉強を見習った。
「お兄ちゃん、ココわからないんだけど…」
「………」
「お兄ちゃん?」
「…気が散る。
そんなのもわからないのか。
…情けない妹だな………」
「お兄ちゃん……」
「七美(ななみ)に何言っているの!お兄ちゃん」
「………」
「聞いているのか?」
「……母さんも父さんもうるさい。
気が散るから、アッチ行ってくれない?」
カリカリと、ひたすらペンを進める。
“償い”と言う名の“恩返し”を、
僕はやらなくちゃ…。
誰にも負けないぐらい…勉強しなくちゃ。
ある日。
家に見知らぬ男の人が訪ねてきた。
男の人は、英語で僕を呼んだ。
母さんは英語がわからないけど、父さんは英語がわかったので、父さんと僕で受け応えをした。