天才な彼を笑わす方法
それから1週間。
勉強はしているけど、アメリカ行きが決まってからは、勉強時間は少なくなった。
他のことをして遊んでいるわけではない。
僕のアメリカ行きを知った各メディアから、僕はテレビ出演や、クイズ番組出演、雑誌のインタビューを受けることが多くなったから。
【天才少年、現れる!】
【天才中学生・瀬川くん!】
毎日のように紹介され、桜やオジサンにも色々言われた。
「なーくん。
あたしのためにありがとう!」
「…当然だから。
僕が桜を守るよ」
「瀬川くん。
桜を守るため、頑張ってくれたまえ」
「…はい」
数日後。
テレビ出演を終え、楽屋にて荷物の整理を行っていた時のことだ。
「…お疲れ様、瀬川くん?」
楽屋にノックもなしに男の人が入ってきた。
一瞬驚くも、先ほどテレビの収録で話した、大学教授さんだった。