天才な彼を笑わす方法
「お疲れ様です…宮野教授」
「教授なんてやめてくれないか?
仕事中じゃあるまいし」
「では、何とお呼びすれば?」
「宮野弘だからな…自由に呼びなさい」
「では宮野教授で」
「…ふ。まぁ良いだろう」
「宮野教授、僕に何の御用ですか?」
「ん?
君に聞きたいことがあってね」
「何ですか?」
「何のために勉強をしている?」
何のため?
…決まっている。
「治したい子がいますから」
「何故君がその子を治す?」
「その子を傷つけたのが、僕ですから」
「…興味深い。
詳しく聞かせてくれないか?」
「…ええ」
僕は桜とのことを話した。
「…フフッ、アハハハッ」
宮野教授は話し終えた途端、笑いだした。
「何が可笑しいんですか?」
僕は内心ムッとしながら聞いた。