天才な彼を笑わす方法
☆☆☆
「宮野叶子、遅刻だ」
「はい…すみません」
怒りの形相で私を眺める先生。
…かなり怖いです。
「宮野の席はあそこだな」
「はい」
私の入る第1学年特進クラスの生徒は、総勢30名。
私は窓側から数えて2番目の列の1番後ろの席だ。
座って、ふと気が付く。
窓側の1番後ろの席の人がいない。
そういえば、入学式を終えて1週間経つけど、見たことないや。
男子15名女子15名のクラスだから、数えてみるといないのは男子だとわかる。
遅刻?欠席?
でも1週間も休むなんて可笑しいよなぁ…。
そんなに風邪が長引いているのかな?
それか、頭が良いかお金持ちの不登校?
疑問に思いながら先生の話を聞いていると。
ガラッ
教室の前の扉が開いた。