天才な彼を笑わす方法
入ってきたのは、先ほど出会った、不思議な彼だった。
嘘でしょ?
今日空いている席は私の隣だけ。
つまり、入学してから1度も来なかった謎の生徒が、彼!?
私の隣の席だし。
…あり得ない。信じられない。
「お。
瀬川、もう来て良いのか?」
「……はい」
「お前の席は、宮野の隣のあそこだ」
彼は私を一瞥し、スタスタ何事もなかったかのように、隣に座った。
「宮野。
瀬川にノートとか見せてやれ」
「え?…わかりました」
断る理由もないので、素直にうなずく。
「そういえばだな。
瀬川、宮野。
お前らこのクラスの学級委員になったから」
「え!?」
「お前ら今日遅刻だから。
罰として引き受けろ」
…マジ?
責任感があまりない私には、1番向いていない委員会だよぉ。