天才な彼を笑わす方法
「あの…?」
あんまりにもマジマジ見つめてくるものだから、私から切り出す。
「あ、あの間違っていたらごめんなさいね。
もしかして…宮野教授の娘さんかしら?」
「え?」
「宮野弘さんと言う方の…」
「ち、父の知り合いですか?」
「まぁ!
うちの息子がお世話になっております」
うちの息子?
「あの…?」
「あら、お父様から聞いていませんか?」
整った顔立ちに、ほんのり笑みを浮かべる女の人。
同じ女だけど、思わずドキッとしてしまった。
「わたしは瀬川七緒と申します。
こちらは娘の七美です」
「初めまして!ナナだよ!」
瀬川!?
じゃこの七緒さんって人と七美ちゃんは、瀬川のお母さんと妹さん!?
どうりで瀬川に似ていると思った…。
てか、息子がお世話になっております?
お父さんと瀬川が知り合いなの?
お父さん、そんなこと一言も言っていないけど…。
まぁあんまり私とお父さん話さないからな…。
お父さん私のこと嫌いみたいだから、避けているし。
お父さんを振り向かせるために勉強して特進クラス入ったけど、あんまり意味ないみたい。