天才な彼を笑わす方法







「…お、お父さんにね、笑顔に…なってもらいたいから……」

「…俺!?」

「う、うん」



いきなり叫んだ声を出したため、思わず引く。



「じゃあ私も聞くけど。
お父さんは私が嫌いなの?」

「はっ!?」

「だって、私の話なんて聞いていないし…。
お母さんや大学の人には笑顔で話すのに、私には話しかけてくれないじゃない…」

「カナコ…」

「何だか避けられている気がするし…。
だから私、勉強すれば、お父さん私のこと…褒めてくれるかなって」

「………」

「どんな答えでも、私はちゃんと聞く」

「………」



瀬川のように黙り込むお父さん。




「…ハハッ」



突然、瀬川が笑いだす。



「何で笑っているのよ」

「いや…悪かったですね。
…すれ違っているなぁと思いまして。
宮野と宮野教授は」

「私と、お父さんが?」

「はい。
この上なく、すれ違いまくっています」




すれ違い…?






< 151 / 190 >

この作品をシェア

pagetop