天才な彼を笑わす方法






学級委員なんてみんなの前に立つ仕事なんて、今までしたことないし。

何を話せば良いんだろうか?



「…瀬川、だっけ?」

「………」

「何言えば良いの?」



瀬川は黙ったまま、目線を教卓の上にズラす。

私も教卓の上を見る。


教卓の上には紙が乗り、決めるべきことが書かれていた。




班のメンバーを決めればいいわけね?




「…今から、班員を決めたいと思います。
女子2人、男子2人の班だそうです…」



うぅ…声が小さいよぉ。

これじゃあ聞こえないよね…?




「……もっと」




え?

先ほどからチラチラと聞いていた声に、振り向く。




「……もっと大きな声で言わないと」

「って言われても…」



瀬川が私より小さな声で言う。

人のこと言えないんじゃないんですか?







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