天才な彼を笑わす方法






「あっ!瀬川様が笑っていますわ!!」

「本当だ!カナコさん、アンタ何したわけ!?」

「別に何もしていないよ」




特別なことはね。




「カナコ。
馬鹿3人は放って、行きましょうか」

「うんっ」



スッと出された手を握る。



「え?
何でカナコさん、馬鹿3人を否定しないんですの!?」

「和歌奈を馬鹿呼ばわりするの、俺許さないよ!
馬鹿呼ばわりして良いのは、お兄様だけ!」

「えっ、ちょっ、光一!?
お兄様に向かって、それはヒドいんじゃねぇの!?」



ギャアギャア騒ぐ3人を放り、私は七音と校舎へ向かう。




「お、おはよう。なーくん、カナコちゃん」

「…桜」

「あ、桜ちゃん!おはよ」



真っ赤なトマトみたいな顔で、桜ちゃんは90度を描くように頭を下げた。




「こ、この間はごめんなさい!
カナコちゃんには怖い思いをさせてしまいましたし、なーくんは熱の中助けてくれて…。
それなのに、学校側には内緒にしてくれて…。
本当に、ありがとうございました!!」



桜ちゃん…。






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