天才な彼を笑わす方法
番外編
和歌奈と光一
☆和歌奈side☆
あれはあたしたちが、小学5年生の頃。
「和歌奈。誕生日おめでとう」
「おめでとう和歌奈ちゃん」
「ありがとうですわ。お父様、お母様」
鳳財閥1人娘のあたしは、盛大なお誕生日パーティーを開いていました。
執事長から新しいドレスを頂いたあたしは、そのドレスを着てパーティーに出席した。
袖がふんわりした、淡いピンク色のドレス。
お姫様に憧れていたあたしは、それが凄く嬉しかった。
「和歌奈ちゃんに誕生日プレゼントがあるんだよ」
「何ですかお父様」
「おーい竜(りゅう)」
お父様は男の人を呼んだ。
男の人の隣には、同い年ぐらいの男の子が1人。
かっこいい子ども用タキシードを着ていました。
「初めまして和歌奈ちゃん。
お誕生日おめでとう。
俺は和歌奈ちゃんのお父様の友達。
宇佐美竜と言います」
「鳳和歌奈と申します。
今日はありがとうございますですわ」
「礼儀正しい子だね。
ほらコウも。
和歌奈ちゃん見習って、ちゃんとおめでとうって言いなさい」
コウと呼ばれた男の子は、フンッと鼻で笑った。