天才な彼を笑わす方法
「何だよそのドレス。
どこかの姫じゃあるまいし、ちゃんと正装で来いよ。
今日の主役はお前だろ?」
あたしは…ショックでした。
執事長からもらった、可愛いドレス。
それを…馬鹿にされた。
「…うっ…ヒックヒック」
「うわ泣き出した。
お前泣き虫だなァ」
虫が嫌いなあたしは、ますます泣き出した。
「こらコウ!
和歌奈ちゃんに何てこと言うんだ!
…ごめんね和歌奈ちゃん」
小さくパシッと叩いた竜さん。
男の子はそれでも、不機嫌そうな顔のまま。
泣いて赤くなった顔を洗うため、あたしはパーティー会場から離れ、スタスタお手洗いに向かっていた。
「全く…。
お前と言う奴は…。
これじゃ宇佐美財閥を継げないぞ」
竜さんの声が聞こえた。
あたしは声のする方へ向かった。