天才な彼を笑わす方法
「クラス違うんだけどね。
同い年の可愛い女の子。
お嬢サマとは大違い。
名前も何も知らないんだけど。
いつも地味な格好している。
どこかの財閥の令嬢みたいだけど、お嬢サマみたいに、お嬢サマしていないの。
どこかの庶民の家って言われても納得できちゃう。
お嬢サマも可哀想だね。
オレみたいな人と結婚しても、哀しいだけだよ。
だってオレは、お嬢サマを愛していなんだから」
自然とあたしの目から、涙がこぼれ落ちる。
「だからさ…お嬢サマ……ッ」
ドサッと、コウちゃんはあたしにもたれる。
「コウちゃん!?」
首筋にかかる息遣いは荒く、その上熱い。
あたしは急いで、おでこに触れる。
「熱いっ…」
あたしは急いで、借りたジャケットを、羽織らせてあげる。
「コウちゃん…」
あたしはまた泣き出す。
…駄目、泣いちゃ。
今1番不安なのは、コウちゃんなんだから。