天才な彼を笑わす方法







☆☆☆




「おはようですわ和歌奈さん。
風邪はもう治ったんですの?」

「ええ。
ご心配をおかけいたしましたわ」




1週間後。

風邪の治ったあたしは、再び学校へ通う。




あの日、気を失ったあたしたち。

あたしが目覚めた先は、自分の部屋だった。

彼―――コウちゃんも、帰ったそうだ。

あの日から、あたしはコウちゃんに会っていない。

でも…いつか会えると、あたしは信じたい。

コウちゃんが…初恋だから。







あたしの通う学校は、令嬢や御曹司が多く通う学園の初等部。

本当は高校までエスカレーター式で行けるんですけど、あたしは中等部まで通うことになっている。

高校は、お父様たちの通っていた、土木沢高校特進クラスに行くつもり。





「鳳。
ちょっと良いか?」

「何ですか?」

「土木沢高校特進クラス希望だったよな?」

「ええ」

「この学年にも、同じ進学先の奴がいるんだよ。
会ってみないか?」

「わかりましたわ」



先生につれられ、あたしは進路指導室へ向かう。







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