天才な彼を笑わす方法
「お待たせしました」
担任が中へ入ると、そこには学年担当の先生がいました。
「いえ。
ほら、彼女が同じ進学先だ」
「そうですか」
立ち上がった男の子。
「「…!?」」
彼は、宇佐美光一くんでした。
「お嬢サマ!?え?何で?」
「コウちゃんこそ…どうして?」
先生たちは、あたしたちが知り合いのため「2人で色々話して良いぞ」と言われ、出て行ってしまったため、指導室はあたしたちだけになる。
「マジかよ…」
「どうしたんですの?」
「お嬢サマが…オレの初恋だとは……」
「え?
でもコウちゃん言っていましたわよね?
学校に好きな人がいるって」
「…それがお嬢サマだったんだよ」
「あたし!?」
確かに学校でのあたしは、制服を校則通りに着こなした、どちらかと言えば地味な感じ。
友達にも、「令嬢に見えない」と言われますけど…。
まさかコウちゃんが話していた“好きな人”が、
あたしだったなんて……!!