天才な彼を笑わす方法
「ん?
コウちゃんの友達?」
和歌奈、と呼ばれた子は私を見る。
「俺の兄の友達、かな?」
「そうなんだ。
初めまして。
鳳和歌奈(おおとり・わかな)といいます」
「宮野叶子です。
…鳳?」
「はい」
鳳も、宇佐美に負けないほどの巨大財閥だ。
…さすが特進クラス。
大財閥の御曹司や令嬢ばかりだ…。
「宮野…?
もしかして、お父様は宮野弘(ひろむ)さん?」
「そうですけど…。
父をご存知なんですか?」
「宮野弘さんと言えば、エリート中のエリート大学・遥華大学の名誉教授じゃないですか。
教授と言えば宮野弘と言われているほど、有名な方ですわよ」
お父さん…そんなに有名な人だったんだ……。
「…アレ?もしかして…瀬川様?」
和歌奈さんは、瀬川を見て驚いたようだ。
瀬川って、そんなに有名なの?
鳳のお嬢様が“様”付けするぐらいの。