天才な彼を笑わす方法
☆桜side☆
全く、宇佐美先輩は嫌ですわ。
良い噂聞かないもの…。
「桜、今アンタ宇佐美先輩に告白されていたでしょ」
「咲夜(さくや)…見ていたの?」
教室に戻ると、クラスメイトの咲夜がやってきた。
名前が似ているってことで仲良くなった、唯一の友達。
お父さんが理事長だから、あんまり私に話しかけて来ないクラスメイトが多いんだけど、咲夜は気にせず話しかけてきてくれる。
決して内申書目当てとかじゃないから、偽りなく話せる、良い子なんだ。
「たまたまねー見ちゃったの。
でも良いわね桜、宇佐美先輩に告白されて」
「え?
咲夜知らないの?
宇佐美先輩、女好きで有名なの。
あたしより情報通の咲夜が知らないなんて」
「知っているわよ。
だってあたし、学年一の情報通だもの。
その噂を知らないわけがないじゃない」
「じゃあ何でそんなこと言えるのよ」
「桜は知らないみたいね。
宇佐美先輩のその噂の裏話を」
「裏話?」
「そうよ。
実はね、宇佐美先輩、女好きじゃないのよ」
「はい?」
どう見ても女好きだと思うけど。