天才な彼を笑わす方法
☆☆☆
つまらない授業も終わり、お昼休み。
あたしは咲夜と一緒に、1学年特進クラスへ向かった。
宇佐美先輩に会いに行くわけじゃない。
宇佐美先輩を第3者の目から見たいと思ったのだ。
「一光お兄様のことですか?」
「…聞きたくて俺の所に来たわけか」
宇佐美先輩を知る人と言えば、やっぱりこの2人。
宇佐美先輩の実の弟さん・宇佐美光一くんと、その彼女・鳳和歌奈さんだよね。
「宇佐美先輩はですね…。
子どもっぽいところもありますけど、優しいのは確かですわ」
「本人が子どもっぽいからなのか、子ども好きな上子どもに好かれるよな」
あたし子ども好きだからなー…。
将来、良いお父さんにはなりそうですわ。
「困っている人は放っておけませんよね」
「そうそう。
瀬川がこの間風邪引いて、1番に気が付いたのもお兄様だしな」
そうなんですか…。
女好きだと言う一面しか知りませんでしたけど、そんな一面があったんですね?
「あと、結構諦めませんよね」
「そうだな。
何度女にフラれても、諦めない粘り強さ。
納豆も驚きだろうな」
それほど…ですか。