天才な彼を笑わす方法
「あとお兄様、お父様から多大な期待を押し付けられているからな」
「そうなんですの…」
「お兄様と付き合うの、俺は賛成だけど。
お父様の期待、桜ちゃんも押し付けられるかもしれないから、その辺は覚悟しておいた方が良いと思う」
なるほど…。
まぁ期待なら、小さい頃あたしもお父さんから受けていたからな…。
その辺は慣れたものだね。
「は?良いの?」
「ええ。付き合ってください。宇佐美先輩」
「本当?」
「はい」
「…ヤッタァ!ありがと、よろしくね!」
あたしはその日の放課後、宇佐美くんにお願いし、宇佐美先輩を呼び出し、告白した。
宇佐美先輩は子どもっぽい笑みで、喜んでくれた。
「じゃ、デート行こう!」
「き、気が早いですわね」
「桜ちゃん可愛いからさ!
今でも先輩のこと思っていても、俺は大丈夫だから!」
「…宇佐美先輩……。
ありがと…」
宇佐美先輩、気が付いていたんですね。
あたしがまだ、なーくんへの気持ちを押し殺していたことを。
あたし、
宇佐美先輩が…好きですわ。