天才な彼を笑わす方法
☆☆☆
当日。
私は精一杯の可愛い格好をして、その場所へ向かった。
そこにいたのは、淡い紫色のパーカーを着て、そのフードを被った、少々怪しげな人。
顔はよく見えないけど、女ってことは分かる。
「宮野叶子サマ。
ようこそ来てくださいました」
その声には聞き覚えがあった。
けど、どこで聞いたのかは思いだせなかった。
「ささやかなお祝いでございます」
スッと差し出された、可愛いラッピングの施してある箱。
「ありがとうございます。
開けても良いですか?」
「どうぞ」
中身は可愛い形のクッキー。
「お口に合うかわかりませんが」
「いただきまーす」
クッキーを1つつまみ、口へ運ぶ。