天才な彼を笑わす方法
しかしその瞬間。
手を思い切りはたかれ、クッキーが全て下に散乱した。
「あああああっ!
クッキーがあああぁぁぁぁああっ!!」
近所迷惑なぐらい、私は叫ぶ。
「…馬鹿かてめぇ。死ぬ気か」
「七音!?」
私の手をはたいたのは、七音だった。
「毒が入っていたら、どうするつもりだったんだ」
「ご、ごめんなさい…」
七音は、鋭い目つきのまま、紫パーカーの人を見た。
「お前もだ、七美」
「お兄ちゃん…」
お兄ちゃん?
あ、思い出した!
この声、あの病室で聞いた声だ!
七音似の妹・七美ちゃん。
七美ちゃんは今にも泣きそうな目つきで、七音を見つめる。