天才な彼を笑わす方法







「何であんな手紙出した」

「だって、お祝いしたくて…」



七音はお兄ちゃんだから、わかるはずだ。

七美ちゃんの字を。

だからあの時、アッサリごみ箱に捨てたんだ。




「このクッキー、激辛だろ。
七美、桜に前コレ渡して、俺に怒られただろ。
何でまた同じことを繰り返す?」

「ご…ごめんなさい……」



激辛!?

宇佐美くんの家の激甘紅茶が大好きな私にとって、激辛は駄目だよォ!!




「だって、ナナのお兄ちゃんだもん…。
誰にも譲りたくないんだもん……」

「七美と俺は兄妹だろ?
その上七美、母さんに聞いたぞ。
…お前今、彼氏いるんだろ」

「!?
お兄ちゃん…聞いたの?」



そうなんだ!

まぁ七美ちゃん可愛いからね。

彼氏ぐらいいるか。




「七美はソイツを大事にしろ。
七美から告白したんだろ?」

「うん…」

「なら、俺とは今まで通り仲の良い兄妹でいような?」

「お兄ちゃん…。
ありがとう!大好き!!」



ギュッと七音に抱きつく七美ちゃん。

その光景が、何だか微笑ましい。






< 189 / 190 >

この作品をシェア

pagetop