天才な彼を笑わす方法
「何であんな手紙出した」
「だって、お祝いしたくて…」
七音はお兄ちゃんだから、わかるはずだ。
七美ちゃんの字を。
だからあの時、アッサリごみ箱に捨てたんだ。
「このクッキー、激辛だろ。
七美、桜に前コレ渡して、俺に怒られただろ。
何でまた同じことを繰り返す?」
「ご…ごめんなさい……」
激辛!?
宇佐美くんの家の激甘紅茶が大好きな私にとって、激辛は駄目だよォ!!
「だって、ナナのお兄ちゃんだもん…。
誰にも譲りたくないんだもん……」
「七美と俺は兄妹だろ?
その上七美、母さんに聞いたぞ。
…お前今、彼氏いるんだろ」
「!?
お兄ちゃん…聞いたの?」
そうなんだ!
まぁ七美ちゃん可愛いからね。
彼氏ぐらいいるか。
「七美はソイツを大事にしろ。
七美から告白したんだろ?」
「うん…」
「なら、俺とは今まで通り仲の良い兄妹でいような?」
「お兄ちゃん…。
ありがとう!大好き!!」
ギュッと七音に抱きつく七美ちゃん。
その光景が、何だか微笑ましい。