天才な彼を笑わす方法
当の瀬川は、アッサリ自分の席へと帰り、分厚い本を読んでいる。
「でも、まさか会えるとは思っていませんでしたわ」
「そうなの?」
「ええ。
なんたって瀬川様は、何億人に1人の大天才。
そんなお方が、いくら特進クラスとは言え、こんな平凡な高校にご入学されるとは思っても見ませんでしたわ」
「和歌奈の言う通りだね。
兄が言うには、アメリカの研究所行きを断ったとか言う話も出ているみたいだね」
「一部のメディアは、瀬川様のことを“才能を放棄した奇才”と言っているみたいですわ」
才能を“放棄”した奇才…。
一体、どんな人なんだろう…?