天才な彼を笑わす方法
2~ドタバタ遠足~
☆☆☆
1週間後。
“クラスの仲を深める”を目的とした遠足が、当日となった。
この遠足は、特進クラスだけでなく、普通クラスの生徒も、全員が強制参加だ。
向かう先は、遥華市の外れにある海。
そこでは今の4月から9月まで、バーベキューが楽しめるらしい。
なので遠足でもバーベキューをお昼とし、地図に書かれた海の敷地内から出なければ、自由に遊べるみたいだ。
「クラス委員-。全員いるかー?」
「あ、はいー」
「なら各自自由に行動しろー。
班長並びにクラス委員には、地図を渡しているからなー」
先生の軽い説明にも、クラスメイトは「はいっ」とお返事。
普通クラスに比べて、真面目な生徒が多いからかな?
「カナコさん、瀬川様。
行きましょう?」
和歌奈さんと彼氏である宇佐美くんが来る。
「どこに行くの?」
「まぁ海とか散策するかぁ」
「ところで汚い海ですわね。
どうせ海に行くのなら、コウちゃんの海に行きたいですわ」
「俺の所の海より、和歌奈の海に行きたいな」
和歌奈さんの海?宇佐美くんの海?
…なんか変な予感がする。