天才な彼を笑わす方法







「ねぇ和歌奈さん、宇佐美くん。
その海って、もしかして…プライベートビーチ?」

「え?ええそうですわよ」

「それ以外に何があるって言うんだい?」



The☆私の知らない世界。

…さすが宇佐美財閥御曹司と、鳳財閥令嬢。

お金の価値観が違う…。




「瀬川の家にもあるの?プライベートビーチ」



先ほどから、てか朝から一言も話していないであろう瀬川に、聞いてみる。



「………ない」



長い沈黙の後、瀬川は呟く。

かなり小さい音量で。

下手したら海の波の音にかき消されるほど。





「そうなんだ。
まぁ瀬川財閥なんて聞かないもんね」

「………」

「そういえば、和歌奈さんと宇佐美くんと、宇佐美先輩とは、どんな仲なの?」

「………」

「和歌奈さんは瀬川様とか呼ぶし、宇佐美先輩は宇佐美先輩の方が先輩なのに先輩って呼ばれているし」

「………」

「…もしもし?」

「………」

「瀬川?」

「………」

「聞いていますかー?」

「………」






とことん無視される私…。

悲しい、悲しすぎるぞ。









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