天才な彼を笑わす方法







「それでだな。
オレら教員は春沢を探しているが、クラス委員どちらかにも任せたいんだ。
ただ2人で行くと危ないから、1人はクラス全員で待っていてほしい」

「私行きます!」



私は即答した。

先生や瀬川は驚いていた。




「瀬川は無愛想で無口ですから。
瀬川より女の私が行った方が、ココちゃんも安心すると思いますから!」

「そ、そうか…?」

「きっとそうです!
私行ってきますね?
…瀬川、和歌奈さんと宇佐美くんをよろしく」



私は急いで走り出す。

ココちゃんがどこにいるかはわからないけど。

きっと探し出せるはず!!





ちなみに、何故私が行くと言ったのか。




瀬川はさっきも言ったけど、無口な上無愛想だ。

結構な泣き虫だと有名なココちゃんは、ただでさえ不安なはずなのに、現れたのが瀬川だと知ったら、ますます心細くなってしまうだろう。

ココちゃんのため、瀬川を行かせないことにした。

その上瀬川は自ら“話すのは苦手だ”と言っていた。

そんな瀬川が、ココちゃんを安心させられるわけないだろう。




しかも、瀬川はメディアが注目する天才少年。

そんな有名人が怪我をしたりしたら、大変だ。

ココちゃんだけでなく、瀬川自身も守るため、私は自ら行くと立候補したのだ。




ココちゃん!

無事でいて!!








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