天才な彼を笑わす方法
ところで。
心配ですわね…カナコさん。
大丈夫でしょうか?
カナコさんは、女友達のいなかったあたしにとっては、初めての友達。
やはり、笑顔でいてほしいですわ…。
「心配だな、和歌奈」
「ええ…」
あたしの彼氏であるコウちゃんは、あたしの頭をなでてくれる。
最初はコウちゃんと婚約者と言う関係で、嫌々だったんですのに。
今じゃ誰もが羨むラブラブカップル。
人生、どうなるかわかりませんわね。
帰ってこないカナコさんを、あたしたちはクラス全員がいる小さな民宿で待っていた。
本当は外で待機していたんですけど、徐々に雲行きが怪しくなりましたから、海辺の近くにあった民宿をお借りして、
特進クラスの生徒たちは、帰ってこないカナコさんや先生方を待っているんですの。
「瀬川。春川戻ってきたか?」
「…いえ」
暫くし、戻ってきたのは担任のみ。
息を切らした担任は、不安そうに雲を眺めながら、クラスをまとめていた?瀬川様に尋ねた。
「そうか…。
春川、どこに行ったんだよ…」
「先生。あたくしのこと呼びましたかァ?」