天才な彼を笑わす方法
突然響いた呑気な声。
それはまさしく、先生方やカナコさんが探していた、春川ココさん本人でしたわ。
「春川ッ!?
おまっ、どこにいたんだよ!」
「申し訳ありませんわ先生。
迷子になっているお子様を見つけたものですから。
お母様を一緒に探していましたわ」
ニコリと可愛らしく微笑む春川さん。
担任は気にすることなく、瀬川様を見た。
「瀬川。宮野は戻ってきたか?」
「…戻ってきていません」
「宮野さん?
宮野さんがどうかなさったの?」
何も知らない春川さんに、担任はカナコさんが春川さんを探しに行ったことを伝えた。
その声は、怒っているようにも聞こえた。
「あたくしを探して…?」
「ああ。
春川が見つかったが、今度は宮野が行方不明か。
…鳳、確か宮野と同じ班だよな?
メアドとか番号とか知らないのか?」
「ええ…」
そういえば、交換するのを忘れていましたわ。
…あたしとしたことが。
交換していれば、こんなことにはならなかったはずですのに。
「…瀬川!?瀬川、どこに行くんだよ!オイ、瀬川!!」
突然、瀬川様を呼ぶコウちゃんの鋭い声が響いた。