天才な彼を笑わす方法
中学時代はかなり成績の良かった私。
テストの度、嫌がるクラスメイトを見て、「何でテストが嫌なわけ?」と上から目線だった。
テスト範囲は先生が教えてくれるし、重要な所も教えてくれる。
そんな優しいのに嫌がる理由がわからないって思っていた。
でも、今はそうと思わない。
だってそれを思っていたのは中学時代。
今は高校生。
その上私が入学したのは特進クラス。
成績上位者じゃなくてはいけないのだ。
普通クラスなら、80点を取れれば先生に褒められていたかもしれないけど。
特進クラスはそうはいかない。
特進クラスで80点は、普通クラスで言う赤点。
本当は合格点だけど、80点を取れるクラスメイトなんて溢れているから、成績上位者になるには、80点以上が当たり前。
もしかしたら全テスト100点を取れる強者も現れるかもしれない。
頑張らないと。
…お父さんもきっと褒めてくれるはずだわ。
提出物について先生は説明したけど、提出物に関しては問題はない。
テスト範囲が書かれた紙を見てみると、結構範囲は広い。
…頑張らないと。
授業が終わり、帰りのホームルームが始まるまで、私はロッカーに資料集など重い教材をしまっていた。