天才な彼を笑わす方法
「え?
だってカナコさん、瀬川様と仲良いじゃありませんの」
「仲が良い?」
私と瀬川が?
「瀬川様があんなに話すの、初めて見ましたわ。
きっとカナコさんが、瀬川様の肩書を気にせず話しかけるからですわ」
「肩書…」
天才少年ってやつ?
「気にしていないわけじゃないよ。
でも、瀬川は天才少年である前に、私の隣の席だから」
「きっとそれが良いんですわ」
「そうなんだ…」
正直よくわからないけど、誘ってみるだけ誘ってみるか。
天才少年なら、きっと成績も良いはず。
良い勉強方法とか教えてもらいたいし!
「せ~がわっ!」
明るく話しかけたつもりだけど、瀬川は無視。
分厚い本を熱心に読んでいる。
「さっき、和歌奈さんから勉強会に誘われたんだ!
場所は宇佐美くんの家だって!」
「………」