天才な彼を笑わす方法
和歌奈さんはポッと頬を赤く染めているし。
…可愛いけど、照れてないで兄弟喧嘩止めなさいな。
…和歌奈さんは照れるだけなので、私が止めることにした。
「まあまあ。
宇佐美くんも先輩も落ち着いて」
「あれー?
先輩と一緒にいた人じゃーん。
何何?光一の知り合い?」
「クラスメイト」
「へぇーそうなんだぁ!
俺あの時自己紹介したよね?」
「はい。
宮野叶子といいます。
よろしくお願いしますね」
「カナコちゃんかー。
いやー、和歌奈ちゃんに負けず劣らずの美人だねー。
彼氏とかいるの?」
「いませんけど…」
「なら俺、彼氏に立候補しちゃおうかなー?」
えぇ!?
思わず何も言えずに立っていると。
バシーンッ!
綺麗な音が、教室に鳴り響いた。
「いってぇ…。
何するんですかァ先輩ィ」
宇佐美先輩を殴ったのは、瀬川だった。