天才な彼を笑わす方法
「………」
痛がる宇佐美先輩の問いに、瀬川は無視。
「…そうだァ!
先輩も来てくださいよォ勉強会に!」
「……断ります」
「そんなこと言わずにィ!」
「……断ります」
それから数分、似たようなことを繰り返し、遂に宇佐美先輩は溜息を吐いた。
「しょうがないですねェ。
では最終手段を使いましょうかねェ」
宇佐美先輩は私たちを見た。
「光一、和歌奈ちゃん、カナコちゃんは来るんですよね?」
「俺は自分の家だ」
「あたしは行きますわよ」
「私も!」
「なら決まりですね」
ニッコリ、悪魔のような微笑みを浮かべた宇佐美先輩は、右手を高く上げ、パチンッと指を鳴らした。
その瞬間、どこからか黒服を着た男たちが、一斉に教室に入ってきた。
もしかして…
SPってやつ!?
黒服を着たSPらしき方々は、瀬川の両手を掴んだ。