天才な彼を笑わす方法
☆一光side☆
俺は幼い頃から、宇佐美財閥跡取り息子として、勉強に励んできた。
しかし、俺に弟・光一が出来てからと言うもの、両親の期待の目は光一へと向けられるようになっていた。
確かに俺より光一の方が頭が良い。
でも、俺は長男だ。
弟なんかに負けてたまるか。
そんな中。
俺はテレビで、先輩を見つけた。
若き天才少年として名を高めていた先輩は、誰よりも輝いていた。
俺より年下のくせに、誰にも負けない強さを誇っている気がした。
俺は先輩に会いたくて、お父様に聞いてみた。
無理だと言われるのを覚悟して聞いた。
しかし、お父様は会わせてくれると約束してくれた。
何でもお父様の学生時代の知り合いの息子が先輩らしかった。
数日後。
俺は先輩に会った。
宇佐美財閥と仲の良い鳳財閥との合同パーティーの日。
お父様の知り合いということで、先輩のお父様が呼ばれ、先輩も挨拶をするため一緒に来ていたのだ。
「一光くん。
息子をよろしく頼むな」
先輩に似たお父様に頼まれ、俺は頷いた。
運良く光一は、鳳財閥令嬢・和歌奈ちゃんに気を取られている。
…チャンス!