天才な彼を笑わす方法
☆カナコside☆
宇佐美先輩が寝て数分後。
車を運転してくれていた運転手さんが、もうすぐ着くことを教えてくれた。
運転手さんにSPなんて、さすが宇佐美財閥だよねぇ。
…多分和歌奈さんは普通のことなんだろうけど。
辿り着いたのは、ビルかと思うほど高い建物の前。
入り口には【宇佐美財閥本社】と書かれてある。
本社か…大きいわけだな。
…ん?
本社?
本社ってことは…。
「ねぇ宇佐美くん」
宇佐美先輩を背負った宇佐美くんに聞いてみる。
宇佐美くんの背中で寝る先輩、可愛いなぁ。
…お兄さんとは思えないけど。
「何です?」
「本社って書いてあるんだけど。
本社以外にもあるってこと…?」
「ええ」
宇佐美くんはどこに会社があるか教えてくれたけど、社会が苦手な私はサッパリわからなかった。
ただ、日本だけにとどまらず、海外にも進出しているってことは分かった。