天才な彼を笑わす方法







…さて、問題は。



「瀬川~」

「………」

「教えてくれない?」

「………」

「瀬川がいたら、百人力なんだけど~」

「………」

「もしも~し」

「………」

「聞いていますか~?」

「……お断りします」




はぁ、そんなに丁寧に拒否しないでよ。




「まぁ折角来たんだし、瀬川も寄って来いよ。
ここから瀬川の家遠いんだしよ。
帰りに送ってやるから、な?」

「コウちゃんもそう言っていますし。
それに今帰ってしまわれたら、きっと一光お兄様が怒りますわよ?
一光お兄様が怒ったらどうなるか、瀬川様はご存知のはずですわ」



…確かに。

瀬川と初めて会った日、宇佐美先輩怒ったけど、結構怖かったかも。



「…お邪魔します」



小さく溜息を吐きながら、瀬川は渋々と言った感じで言う。



「そう来なくっちゃ。
さ、和歌奈もカナコさんもどうぞ」

「「お邪魔します(わ)」」



私たちは宇佐美くんの後を追い、宇佐美財閥本社ビルの中へ入った。








< 57 / 190 >

この作品をシェア

pagetop