天才な彼を笑わす方法
「どうしたのカナコさん」
「な…何これ」
私はしかめっ面で、宇佐美くんに聞く。
宇佐美くんはニコニコ微笑みながら答えてくれた。
「ああ、それ?
そうだね、カナコさんは初めてだよね。
それ、唐辛子と豆板醤(トウバンジャン)、辛子に山葵(わさび)、タバスコに生姜(しょうが)を入れた、特製紅茶だよ。
生姜が入っているから、あったまるよ」
いやいや…今は春!
あったまらなくても、あったかいです!
てか中身…。
どうりで口の中がヒリヒリして、もの凄く辛いんだ。
「どうしたんですのカナコさん。
飲まないんですの?」
思わずカップを置くと、和歌奈さんが聞いてきた。
「うん…。
辛いの苦手で……」
嘘。
本当は得意な方。
ただ、これは辛すぎる。
ティーカップ1杯分も飲めない!