天才な彼を笑わす方法
4~テスト返しと写真~
☆☆☆
数日後。
テストを迎えた。
特進クラスなだけあって、呑気にお喋りをしながら校舎まで歩く普通クラスの生徒とは違い、皆して赤シートを使いながら、勉強している。
私も単語帳を使いながら勉強をした。
ちなみに、結局あの後、勉強しなかった。
「他にどんな紅茶をお祖父様は作っていらっしゃるの?」と尋ねた和歌奈さんに、宇佐美くんはちゃんと答え、その後試飲会が始まった。
私や瀬川も参加したので、勉強は何もしていないままお開きとなった。
秀才の瀬川は嫌だったかも…と思いながら登校すると、瀬川はテストだと言うのに、呑気に分厚い本を読んでいた。
「瀬川、勉強しないの?」
「………」
無視されたので、私も無言で机に座る。
勉強用のノートを開き、先生方が配ってくれた勉強プリントを使いながら勉強する。
赤点取らないようにしなくちゃな。
「瀬川様、カナコさん。
この間はごめんなさいですわ」
和歌奈さんと宇佐美くんが謝ってきた。
「良いよ別に、気にしないで。
試飲会も楽しかったから」
瀬川は本から目を離さず無視だけど、私は普通に笑顔で返した。