天才な彼を笑わす方法
「もし良ければ、これ差し上げますわ」
和歌奈さんが私の前に差し出したモノ。
それは、1枚の白い封筒だった。
「テストとは関係ありませんけど、レアですから…」
「?」
私はペンを進める手を止め、封筒を開ける。
「!!??」
封筒の中には、1枚の写真。
「和歌奈さん、これっ…」
「お詫びとして差し上げますわ」
和歌奈さんがくれた写真。
それは。
―――幼い瀬川の写真だった。
しかも、笑顔の。
ドーナツを片手に可愛く微笑んでいる。