天才な彼を笑わす方法
可愛い!
滅茶苦茶可愛い!
ドーナツ片手に笑うって、今の姿からじゃ信じられない!!
「瀬川様には秘密ですわよ。
バレたら、絶対怒りますもの」
「何がですか?鳳」
「うひゃああっ!?」
和歌奈さん、声が大きいです。
…クラスの人、全員こっち見た。
和歌奈さんは「ごめんなさいですわ」と笑顔で謝ると、何事もなかったかのように勉強を始めるクラスメイト。
「うるさいです」
「ご、ごめんなさいですわ」
「で?僕が何か?」
瀬川はそう言うと、私の手元に目をやった。
私の手には、幼い瀬川の写真。
「…!?」
瀬川は写真を思い切り、私の手から抜き取った。
マイペースそうな感じなのに…。
「瀬川…?」
「……鳳」
「な、何ですの?」
和歌奈さんは冷や汗をかきながら、瀬川を見た。