天才な彼を笑わす方法
「…てめぇ、ふざけんじゃねぇよ?」
…え?
再び静まる教室。
誰もがキャラの変わった瀬川に驚いている。
「ご、ごめんなさいですわ…」
「勝手に昔の写真持ち出すな」
「ご、ごめんなさいですわ…」
「ごめんで済めば警察いらねぇわ」
「…はい」
「瀬川、周りも驚いているし、何より和歌奈が可哀想」
「知るか。
てか鳳が可哀想だと思うのなら、ちゃんと見ておけよ」
「うっ、ごめん」
「だから謝るな」
「はぁ…」と溜息をついた瀬川は、席へ座り、再び読書。
瀬川が座り何事も起こらないことを確認したクラスメイト達も、再び勉強を始める。
「久しぶりに見たなぁ怒りの瀬川」
「ええ…確かに久しぶりでしたわ。
思わず謝罪を連呼してしまいましたもの」
久しぶり?
確かこの間の遠足でも瀬川怒っていたよね?
やっぱりあれ、空耳じゃなかったんだ。
「どういうこと久しぶりって。
私この間遠足で怒られたんだけど…」