天才な彼を笑わす方法
私が遠足でのことを話すと。
…和歌奈さんも宇佐美くんも、驚いた顔をしていた。
2人とも、端正な顔を歪めている。
「それ、本当ですの?」
「うん…」
「信じられねー…。
それ、本当に瀬川なのか?」
「うん」
「…アイツ、変わったな」
変わった?
「前はその写真のようによく笑って、ムードメーカー的存在だったんだよ。
多少周りより頭が良い感じ。
でも、その写真の後色々あったみたいでな…。
それから瀬川は今の瀬川になったんだ。
喜怒哀楽は表さねぇし、話しかけても無視だし」
瀬川が…?
ムードメーカー!?
信じられない。
「それなのにカナコさんには怒ったんだな。
いつか笑顔も見られるんじゃねぇの?」
「そういえばカナコさん、写真はどうされました?」
「写真?」
あっ!
「瀬川に持って行かれちゃった…」
「「あらら…」」
和歌奈さんと宇佐美くんが苦笑いしたところで、先生が入ってきた。
テスト勉強していないや。
…大丈夫かな、今回のテスト。
結果出さないと、お父さんに怒られちゃうよ…。