天才な彼を笑わす方法
「私に何か用?」
「………」
「…あの?」
「………」
「私の話、聞いてる?」
「………」
「…あのー」
これまで無視されること、あったでしょうか?
私はふと、彼の胸元に目が行った。
…赤い、ネクタイ。
各学年に1つしかない、特進クラス専用のネクタイだ。
つまり彼は、特進クラス…?
「何年生ですか?」
「………」
思わず聞いたけど、答えてはくれない。
ただマジマジと、私を見つめるだけ。
「…///」
そんなにマジマジ見つめるものだから。
思わず目を逸らす。
何なの?この人。
イケメンだけど、地味な感じの。
しかもどこかで見たことある気がするし。