天才な彼を笑わす方法








でも、こんな所で立ち止まっちゃ駄目だ。

今まで忘れていたけど、私は遅刻寸前。

チラリと腕時計を見ると、あと5分で8時半。

…このまま止まっていると、遅刻だ。



「…失礼します」



私は立ち去ろうと、右へ避けた。

…が。




「…え?」




見知らぬ彼により、行く手を阻まれた。




てか、どけよ!

邪魔でしかないんだけど!!

このままだと遅刻するっていうのに!!




「…あの?
どいてくれませんか?」




思い切りって言うが、彼は無視。

瞬きを数回しながらも、私を見つめ続けている。




「このままだと私、遅刻しちゃうんですけど…」



何だかついていないなぁ…。






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