天才な彼を笑わす方法
「桜ちゃんとは確かに友達だよ?
でも…瀬川とも友達でしょ?」
「……友達?」
何故か驚いた表情を浮かべる瀬川。
「そうでしょ?
瀬川だけじゃなく、和歌奈さんや宇佐美くんも先輩も友達。
瀬川だってそう思うでしょ?」
「………」
「瀬川は友達だけど他人だし…。
やっぱりズカズカ入りこんじゃいけないとは思う。
でも…気になって」
「………」
「何かあったら、私にいつでも話して。
私じゃなくても、和歌奈さんや宇佐美くん、先輩もいるよ。
瀬川は1人じゃないんだよ?」
言いきったタイミングで先生が入ってきたので、私は席へ戻る。
瀬川は本を読み始めたので、伝わったのかはわからない。
伝われば良いな…。
そしてあの笑顔、もう1度見てみたい…。