天才な彼を笑わす方法
「桜が特進クラスに向かったのと入れ違いに、瀬川くんが尋ねてきてな。
その宮野叶子から、桜の存在を聞いたらしい。
…それで、宮野叶子には危害を加えないでくれ…と」
なーくんが?
カナコちゃんを庇った?
「どうして…なーくんが庇うのよ。
カナコちゃんとなーくんは、接点がないはずよ?」
それなのに…
ドウシテ……?
「ワタシにもわからない…。
だが、瀬川くんからの頼みだ。
…桜が聞くはずだと…瀬川くんが言っていた」
なーくん…。
確かに、あたしはなーくんのためなら、何でも聞く。
なーくんがそうだから。
なーくんが全力であたしを守るから…。
「桜。
誰かを大事に思うことは大切だ。
だが、その人を本当に大事に思うのなら、その人を傷つけないよう、守るんだ。
桜の瀬川くんへの愛情は、度が行きすぎている。
…瀬川くんが桜に何をしたかは知っている。
でも、だからと言って、瀬川くんを縛るな。
瀬川くんが誰を大事に思っているか、そして誰が1番瀬川くんを大事に思っているか、桜は気が付いているんじゃないか?」
…何よ。
何ヨ。
ナニヨ!!